コラム:リンネ

(カルロス・リンネウス)

  
 教科書的な略歴は、本文に書いたので、ここではリンネが、人間が全能の神の下位に従属することをまぎれのない事実として受け入れる信心深いキリスト教徒であったことをつけ加えたいと思います。宗教を信じるものは共通に、使命感を持つことが多いのです。自分がつねに神のそばにいるという確信と感謝、悦びからくる特有の情熱と思います。

 リンネは、自己の業績をあげることを考えたのではなく、自然を秩序づけることと、三界の成員(生物たち)に名前を与えることを創造者から委託されたことを自覚し、そのことによって、自分が特別な立場にあるという感謝から彼の偉業は始められています。神の事務官という意識が、この根気の要る仕事をなさしめたのです。

 進化に関しては、リンネは、各種が個別に創造されたという創造説をもっていました。しかし、また植物の交雑により、親から変化した子孫ができることは知っていたようです。

種社会へ

ダーウィニズムへ