オーロラを見上げて


 晩年のシェリング 写真が残っている最初の哲学者らしい(へぇ)

 
 地球の極を彩るオーロラを、この目に見える「現象界」にたとえると、オーロラとは地球の内部運動により発生した地磁気によって生じるとした立場がフィヒテの哲学と例えることはできないだろうか。そこでシェリングは、オーロラが見えるためには、「太陽から吹き付ける太陽風も無視できない」という立場をとった。
 実際は、太陽風と地磁気との両者によってオーロラが現れるが如く、眼に見える物質も、複数のエネルギーの拮抗によってあたかも存在しているかのように現象化している。神韻とした静物の中にも、拮抗する二つの力を観る視力は、科学でも西洋哲学においても必要な力だ。

 あるいは冷たい空気の層と暖かい空気の交わる前線に雲が生じるように、あるいはまた、木星の大赤班のように・・・。

 詩人が、オーロラは地球が夢を見ているのかもしれないというように、私達のこの存在も、一つの素晴らしき夢のようなものかも知れない。

 ここで「黄金の法」(幸福の科学出版)によるシェリングの紹介をします。

 「さて、カントは如来界の人でしたが、ドイツ観念論派の流れとして、さらに菩薩界からフィヒテ(1762年-1814年)、シェリング(1775年-1854年)を地上に送り込みました。
 ・・・
 ・・・シェリングは、精神と自然との最高の統一を芸術に見出し、その「同一哲学」をもって、ロマン主義の哲学的基礎をつくった人です。」

 とあります。

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