近代科学を超えて

 このページの開設にあたり、参考にした部分が多いので紹介します。このサイトでは珍しく短く要点列挙で紹介するのみで、あとは本を読んで下さい。「はじめに」を参考にしています。

  科学の飛躍的、創造的発展にデータはほとんど関与しておらず、科学者のもつ理論、哲学、宗教的信念、神秘思想から事実を連れてくる。

  科学の全ては客観的真理ではなく西洋の文化思想の一構造であり、そのよってたつパラダイムを共有している範囲で有効である。

  データは「所与」ではなく理論に依存しており、科学革命はそのよってたつ理論への信奉が、別の理論への信奉に変革したときにおこる。

  科学がすべて価値中立的で、普遍的という考えは、それを扱う人間の問題や「単純なものは美しい」といった価値を含んでいることからも、妥当ではない。

  分析以外の科学の可能性を、人類のために見直すべきである。

  近代初期の科学者の営為は、常に、例外なく「神の栄光のために」という目的論に支えられていた。

  ヘブライの知的習慣による人間と自然の分離は、「こころ」を失い非擬人主義へと向かう。新しい形而上学、愛の論理の変革が自然科学には必要である。

  キリスト教的な終末論への一方向への時間の流れをそのままに、科学は進歩思想を吹き入れた。

  ・・・などなどである。あまりに簡約して著者の善為を損なっていなければよいですが。

(今西錦司の世界)
科学によせて

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