まとめ
 

 生物の進化自体は事実ですが、それを唯物論的に説明しようとする進化論は間違いです。
 
 
 
 

 その他論点
 

 突然変異・・・生物身体あるいは生態の進化にはかならず形而上学的な原因もあるのですが、唯物論的哲学の判断素材では突然(偶然)に見えるだけのことです。
 
 

 自然選択・・・自然選択(非ランダム排除)による進化(秩序形成)を擁護するには、時間の前後を知る知性が必要で唯物論と矛盾します。
 
 

 遺伝子万能主義・・・遺伝子型と表現型という区別の仕方が、西洋哲学の根底にある形相(イデア)と質料という思考パタンと合致して受容されていますが両者とも物質です。
 
 

 史的唯物論哲学を支える主な科学的根拠は進化論でしたが、ダーウィン的進化論は唯物論下でしか有効でない理論であるので互いに支え合っていただけです(しかも上記のように自然選択はせめてマックスウェルの魔的存在を必用とし唯物論とは矛盾しています)。
 
 

 生物にも精神があります。それは人間、自分自身が精神的なものと気づいたときわかります。
 
 

 諸行無常が真実で、生物個体や種の衰退や枯死には原因はいりません。しかし進化やより合目的的な変化には精神的創造作用が必要です。
 
 

 空即是色・真空妙有・・・実在界のエネルギーが固形化して物質になることがあります。これが創造の秘密ですが、過去宗教や自然哲学でも述べられています。

 

 こうした概念は、創発や自律的進化などの構想と相互に発展するでしょう。

 

 もと一つから分かれた生物たちであり、その分岐の歴史自体が共時性をもって現在でも働きかけているため、個体だけ見ると弱肉強食の世界に見える自然界も、種や生態系、生命を協力してまもり、多様性を愛し合う地球の仲間同士であるのです。
 
 

 人間は、こうした自然の仲間たちなくして地上で生きられないのですから、こうした生き物たちが支えている自らの生命を、憎しみや猜疑のためではなく、正しく使わなくてはなりません。